紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)とは?「キンバリープロセス」と「システム・オブ・ワランティー」の仕組み
ブライダルジュエリーに人気の宝石と言えば、ダイヤモンド。その輝きは永遠の愛の象徴とされています。
しかしとても高価なダイヤモンドは、かつてその収益の一部が内戦や紛争の資金源となり、多くの人々の命を奪った悲しい歴史があります。
これらのダイヤモンドは「紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)」と呼ばれています。
現在、正規に流通しているダイヤモンドの99%以上は「コンフリクト・フリー(紛争に関係していない)」とされています。
その清浄性を保証するために作られた2つの仕組みが「キンバリープロセス」と「システム・オブ・ワランティー」です。
紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)とは
「紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)」とは、主にアフリカ地域などの紛争地で、反政府勢力が政府軍と戦うための武器購入資金を得る目的で不法に採掘・取引されたダイヤモンドのことを指します。
1990年代後半、これが深刻な国際問題となり、ダイヤモンド業界と国際社会は対策を迫られました。
2006年に公開されたレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッド・ダイヤモンド」でもこの題材が取り上げられています。
「ブラッド・ダイヤモンド」は、アカデミー賞5部門にノミネートされた見応えのあるサスペンス映画です。実話をモチーフにしています。
私も見ましたが、奴隷のように扱われる紛争地域の人々やその虐殺、私利私欲にまみれた先進国の人々がリアルに描かれていて心が重くなりました。
アフリカの反政府ゲリラRUFや少年兵に関しては、現地での徹底的なリサーチを元に描かれているそうです。
この映画を見たら「ダイヤモンドなんて要らないな・・」と思ってしまうかも。
本作でアカデミー主演男優賞にノミネートされたディカプリオは、当時31歳。
現在は51歳ですが、まだ若かったディカプリオ、とってもかっこ良かったです!ストーリーは重苦しいですが、若くて精悍なディカプリオを見れただけで私は満足です。
興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。
キンバリープロセスとは
幸福の象徴であるはずのダイヤモンド。結婚指輪や婚約指輪に購入したダイヤモンドが、紛争の資金源として発掘されたものだったら嫌ですよね。
そこでダイヤモンド業界は国連や各国政府と協力し、「キンバリー・プロセス証明書」を発行して紛争ダイヤモンドを市場で取り扱わないようにしていきました。
※画像はイメージです
キンバリープロセス(Kimberley Process Certification Scheme: KPCS)は、2003年に導入された、ダイヤモンド原石の輸出入を規制する国際認証制度です。国連の支持を得ており、日本を含む多くの国が参加しています。
対象: 研磨される前の「ダイヤモンド原石」
ルール: 加盟国は、紛争に関係のないダイヤモンド原石のみを、不正開封防止容器に封入し、政府発行の「キンバリープロセス証明書」を添付して輸出入しなければならない
効果: 証明書がない原石は加盟国間で取引できないため、紛争地からの不正なダイヤモンドが正規ルートに混入するのを水際で防ぐ
キンバリープロセスは「国境を越える原石」を管理するものですが、一度国内に入り、研磨(カット)されてしまうと、その追跡は難しくなります。
そこで研磨(カット)されたダイヤモンドを規制する仕組みとして必要になるのが、「システム・オブ・ワランティー」です
システム・オブ・ワランティー
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システム・オブ・ワランティー(System of Warranties: SoW)は、世界ダイヤモンド評議会(WDC)によって制定された、研磨済みダイヤモンドおよびダイヤモンドジュエリーの自主規制システムです。
対象:研磨済みのダイヤモンド(ルース)や、それがセッティングされたジュエリー。
ルール: ダイヤモンドが業者の手から手へ(研磨業者→卸売業者→小売店)と渡るたびに、請求書(インボイス)などの取引伝票に「このダイヤモンドは紛争に関係のない供給元から購入されたものである」という宣誓文を記載しなければならない
監査: 各企業は、これらの記録を保管し、正当な取引であることを証明する義務を負う
キンバリープロセスとシステム・オブ・ワランティの違い
キンバリープロセスとシステム・オブ・ワランティの違い、それぞれの役割は以下です。
| キンバリープロセス (KP) | システム・オブ・ワランティー (SoW) | |
| 対象 | 原石 (Rough Diamond) | 研磨済み (Polished)・製品 |
| 管理者 | 政府・国家機関 | 業界団体・各企業 |
| 役割 | 国境での不正侵入阻止 | 市場流通内での追跡・保証 |
キンバリープロセスとシステム・オブ・ワランティの限界
「キンバリープロセス」と「システム・オブ・ワランティ」、これら2つの制度により、市場の透明性は劇的に向上しました。
しかし、「紛争」の定義が「反政府勢力によるもの」に限定されており、政府による人権侵害が含まれていないという批判や、書類の改ざんリスクなどの課題も残っています。
そのため、現在では「ブロックチェーン技術」を用いて、採掘から小売りまでの全工程をデジタルデータで完全に追跡(トレーサビリティを確保)しようとする動きが、ハイブランドを中心に加速しています。
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「ブロックチェーン」と言われると難しく感じますが、紙ではなくデジタル媒体に記録することで改ざんを不可能にする管理方法のことです。
私たちにできること
私たちがジュエリーショップで指輪やネックレスを選ぶ際、そのダイヤモンドが輝いているのは、ただ品質が良いからだけではありません。多くの人々の努力によって守られた「平和な背景」があるからです。
消費者である私たちができることは、信頼できるジュエラーを選ぶことです。
それぞれのブランドの取り組みに少し目を向けて「コンフリクト・フリー(紛争に関係していない)」の意識を持っているかどうか、公式ページや店頭で確認してみてくださいね!

